農業情報研究所
EU、欧州委員会のWTO農業交渉提案を承認
農業情報研究所(WAPIC)
03.1.28
27日、EUの対外関係に関する一般問題理事会は、WTO農業交渉のフレームワーク(モダリティ)に関する欧州委員会提案(EU:欧州委員会、WTO農業交渉に向けて提案,02.12.19)の支持を満場一致で決定した(2482nd Council meeting - EXTERNAL RELATIONS (Provisional version);European Commission Press Release:WTO and agriculture: the European Union takes steps to move the negotiations forward)。フランスとアイルランドが反対を取り下げたためである。これにより、3月31日までのWTO農業交渉のモダリティに関する合意への道が一応は開かれることとなった。
しかし、この提案をどこまで実施できるかは、補助金と生産との関係を断ち切ろうとする共通農業政策(CAP)の改革(欧州委員会、CAP改革案を提案.03.1.23)をどこまで実現できるかにかかっている。同日の農相理事会はこの改革案を論議したが、意見は大きく割れたままであった。イギリス、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、オランダは改革を支持したが、その他の大部分の国は生産と補助金の切り離しを攻撃、フランスは、海外領がとりわけ大きな打撃を受けると言うスペイン、ポルトガルに同調、一定地域における大きな生産削減につながると反対した。アイルランド農相は、改革案はアイルランドに不当に大きな影響を与えるから、不平等で、不必要であると不満をぶちまけた。
農業交渉が順調に進むとは、なお予測し難い。