中国耕地の1割が重金属等汚染　耕地面積縮小とともに食糧安全保障への脅威

中国耕地の1割が重金属等汚染　耕地面積縮小とともに食糧安全保障への脅威

07.4.23

　中国国土資源部が中国の耕地の1割、1230万㌶が汚染された水・過剰に使用される肥料・重金属・固形廃棄物などで汚染されており、状況はますます悪化していることを明らかにした。今月12日、農地面積減少に対する懸念を表明したばかりだが（減少続く中国の耕地面積　2010年末に維持すべき最低レベルに接近,07.4.14）、耕地面積減少とともに、このような耕地汚染が国の食糧安全保障を厳しく脅かしていると語ったという。新華網が22日付で伝えた。

　Ministry: Pollutants contaminate 1/10 of arable land,xinhua.net,07.4.22
　http://news.xinhuanet.com/english/2007-04/22/content_6011090.htm

　土地資源部は、重金属だけでも1200万トンの穀物を汚染、毎年200億元の損失をもたらしており、汚染された穀物は最終的には健康を害することにもなると認めた。土地資源部長は世界地球日の日曜日、持続可能な経済成長のために土地その他の資源の保全を国民に呼びかけたという。

　ただ、これについて伝える英国・ガーディアン紙によると、人民大学の農学者・温鐵軍教授は、「特に多国籍企業や国内資本グループがますます投資を増やそうとしているから、困難は一層深刻になりつつある」と言う。汚染を減らす有効な手段があるのだろうか。

　China fears toxic threat to farmland,The Guardian,07.4.23
　http://www.guardian.co.uk/international/story/0,,2063341,00.html

中国における農業土地資源の喪失は、食料生産に不可欠な水資源の枯渇への傾向とともに、中国のみならず、世界の食糧安全保障への脅威でもある。

　関連ニュース
　Soil survey to monitor pollution,China Daily,07.4.9
http://www.chinadaily.com.cn/china/2007-04/09/content_845807.htm
Save our soil,China Daily,07.4.9
http://www.chinadaily.com.cn/cndy/2007-04/09/content_845806.htm