農業情報研究所>農業・農村・食料関係>食糧問題>ニュース2020年7月12日
記録的世界生産予測で主要輸出国の小麦価格が軒並み低下 米農務省
米国農務省(USDA)が7月10日、月例世界穀物市場・貿易報告を発表した。
Grain: World Markets and Trade USDA July
10, 2020
報告によると、今月はEU、ロシア、米国で小麦生産の減少が予想されるが、世界生産は記録的レベルにとどまる。6月の主要輸出国の(輸出)価格は、記録的供給と収穫期が重なって低下、比較的好条件に恵まれたロシアで下がっただけでなく、いくつかの加盟国で乾燥による不作が心配されているEU(1)でも価格は下がった。さらにカナダの価格も収穫期と豊作の圧力で低下、冬小麦収穫途上の米国でも低下気味、オーストラリアの価格は大豊作の期待から暴落した。
ただし、ここ数日、EUおよびロシアの不作予想で急上昇が起きている(2)。
なお、ウクライナでは今月8日、経済相と輸出業者が今季は穀物輸出の制限はしないという覚書に調印した(Economy
ministry signs memo with grain market players for agreeing on export volumes, not for limiting exports
– minister,Inter-fax
Ukraine,20.7.8)
関連情報
Global food commodity prices rebound in June,FAO,20.7.2
Record global cereal production forecast boosts stock-to-use ratio to a twenty-year high,FAO,20.7.2
(1)フランス軟質小麦の今年の収量は、作付面積減と秋の大雨で20%減ると予想されている(Baisse
de plus de 20 % de la récolte française de blé tendre,Agri
Mutuel,20.7.8)。
(2)農業情報研究所:シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物相場の推移;ヨーロッパ小麦・菜種先物相場の推移