農業情報研究所農業・農村・食料欧州>ニュース:21年4月15 

 

米国穀倉地帯に寒波 小麦・トウモロコシ・大豆先物相場が急騰

 

 先日、農作物開花・成長期に襲った季節外れの寒波でフランスのブドウをはじめ果樹や採油用ナタネ、シュガービートが甚大な被害を蒙ったことを伝えたばかりだが(フランスに季節外れの寒波 ぶどう、果樹、ナタネ・・・凍結で大損害)、今度は米国穀倉地帯に同様の寒波が襲来、大平原地帯の冬小麦の収穫に影響を及ぼす恐れが出てきた。中西部では水不足も手伝い、コーン・大豆の播種を遅らせる生産者も出ている。

 

 これを受け、このところ落ち着いていたシカゴ小麦先物価格が急上昇、コーンは146月以来最高となるブッシェル6ドル近くにまで跳ね上がった。

 

 GRAINS-U.S. cold snap fears fuel rally in wheat, corn, soy futures,Successful Farming,21.4.14

 シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物相場の推移(農業情報研究所)

 

 季節外れの寒冷による作物被害―(局所的な)凍霜害は昔から知られており、それなりの対策も講じられてきた。しかし、今年のフランスや米国に見られるような穀物・油糧蛋白作物の大規模な被害はあまり聞いたことはない。

 

これも気候変動の影響だろうか。気候変動と農業・食料生産との関連性については、よく知られた高温、干ばつ、多雨(洪水)などと同等の注意を寒冷にも向けねばならなくなったのだろうか。