EU 有機産品表示新規則案を採択 GMOの偶然の混入は0.9%まで

  農業情報研究所(WAPIC)

07.6.13

 6月11日の閣僚理事会で、EU27ヵ国農相が有機産品表示に関する既存ルールを修正する規則案を特定多数決(ベルギー、ギリシャ、ハンガリーが反対)で採択した。

 2806th Agriculture and Fisheries Council meeting - Luxembourg, 11-12.06.2007 (provisional version - only items discussed on 11 June),6.12

 新リールは、有機農業の目標、原則、生産に関する基本ルールを明確化するとともに、地方的条件や発展段階を考慮した一定の柔軟性も与える。その目標と原則は、有機農業だけでなく、有機畜産・水産養殖・植物及び飼料生産・有機食品生産にも適用され、新ルールは、有機水産養殖・ワイン・海草・イーストに関するルール追加の基礎をなす。

 EU有機ロゴの使用は義務化されるが、国または民間団体のロゴを付することはできる。農産物の生産場所は表示されねばならない。食品は、成分の少なくとも95%が有機ならば有機と表示できる。非有機製品は、その成分表においてのみ、有機成分を表示することを許される。有機農業に使用を許される物質のリストに変更はない。

 遺伝子組み換え体(GMO)の使用は禁止される。ただし、[EUで]許可されたGMOの偶然または不可抗力による混入のレベルが0.9%までならば有機製品と認めることが明示された。検出限界の0.1%の上限を主張してきた多くの有機農業・環境・消費者団体、そして欧州議会の主張も否定されたことになる。全会一致の承認とはいかなかった最大の理由だ。

 この決定を受けた”地球の友・ヨーロッパ”は、「有機農業は仕事を創り出し、環境を保護する活気に満ちた部門だ。0.9%の限界が厳格な汚染防止措置の必要性を緩めてはならない。EUが有機農業部門の保全と支持を約束するのなら、汚染を引き起こしたGMO農業者とバイテク企業に対する厳罰を伴う、遺伝子汚染から通常農業と有機農業を保護する厳格な共存措置が不可欠になる」と言う。

 Ministers open door for GMOs in organic food,07.6.12

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