インドネシア 原油価格急落で苦境のバイオ燃料生産者に補助金支給へ

農業情報研究所

09.2.2

 原油価格急落で割高となったバイオ燃料の生産者が生き残れるように、インドネシア政府が今年からバイオ燃料生産者に補助金を払うことを計画している。 補助金はバイオ燃料価格が石油燃料価格を上回るかぎりで支払う。

 Indonesia plans to pay subsidies to biofuel producers,Business Times,1.31
  http://www.btimes.com.my/Current_News/BTIMES/articles/iof/Article/

 計画では、バイオ燃料価格が石油燃料価格を上回る場合、平均で1ℓ当たり1000ルピアを支払う。今のところ、バイオエタノール(キャッサバ、サトウキビが原料)の価格は石油燃料より高くない、パームオイル原料のバイオディーゼルは1ℓあたり5800ルピアで、石油デーゼルより1500ルピアも高い。

 政府資料によると、補助金付きバイオ燃料を販売する国営の PT Pertaminaは、2009年に19万4444klのバイオエタノールと58万25klのバイオディーゼルをブレンドすると推定される。この推定に基づき、政府は今年、7745億ルピア(約60億円)の補助金を支払わねばならないだろうという。[予定されている義務的ブレンド割合の今後の上昇とともに、補助金は増え続けることになりそうだ]

 先進国だけでなく、今やアジア途上国のバイオ燃料産業も、補助金なしでは存立できなくなってきたようだ。低価格のために補助金なしでは存続できなくな り、バイオ燃料産業がもたらす市場拡大と価格上昇に期待をかける農業と同然だ。

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