農業情報研究所環境エネルギーニュース:2019年7月3日

EU  バイオディーゼル用パームオイル利用が急増

バイオディーゼル製造のためのパームオイル使用がEU諸国で急増している。EU諸国は食料油として使うインドに次ぐ世界第二のパームオイル輸入国だが、輸入されるパームオイルの65%がバイオディーゼルの製造のために消費される。

EUのパームオイル消費は2018年、760万トン、前年に比べると1%減少したが、65%を占めるエネルギー用利用は、バイオディーゼル用が3%増加の400万トン、電力・熱利用が18%増加して90万トンになった。

200815年、森林を破壊して新たに作られたバイオ燃料用作物用地の70%がパームオイル用地で、コーン、大豆など他の作物用地は4%以下だった。

EUはエネルギー用パームオイルの使用は持続不能として2023年から段階的に減らし、2030年から禁止するとしている(Biofuels Sustainability Criteria,European CommissionSustainability criteria Sustainability criteria)。それまでにどれほどの熱帯アジアの森林が刈り払われるだろう。

EU palm oil use for biodiesel veicles soars despite green threat,Financial Times,19.7.3,p.11

 

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