インドネシア 「泥炭地と森林の転換」を2年間モラトリアム ユドヨノ大統領が表明

農業情報研究所(WAPIC)

10.5.28

 インドネシア・ユドヨノ大統領が、「森林減少・劣化からの温室効果ガス排出削減 」(REDD)のグローバルなイニシアティブの一環として、「泥炭地と森林の転換」の2年にわたるモラトリアムを実施すると発表した。

 およそ50ヵ国が参加して27日に開かれるオスロ気候・森林会議の前夜、ノルウェーのストルテンベルグ首相とユドヨノ大統領が、森林と泥炭地の消失・劣化による温室効果ガス排出を減らすインドネシアの努力を支援する協力関係に入ることに合意した。ノルウェーは今後数年の間に10億米ドルを投じてこの努力を支援し、インドネシアは森林と泥炭地が貯えている大量の温室効果ガスの排出を削減するための即時の決定的行動を取るというものだ。

 「森林と泥炭地の転換」の2年間モラトリアムは、この合意を伝える首相と大統領の共同記者会見の席で発表された。この席で、大統領は、インドネシアは「国際的な助けを得て、あるいは国際的助けがなくても」森林を保全するが、財政の制限があるからREDD Plus スキームが推進されることを期待するとも述べたという。

 REDD Plusとは、森林保全、森林の持続的経営、森林の炭素ストックの強化を途上国で実施することを指す。オイルパーム「植林」までこれに含まれると言い出さないか心配だ。

 RI committed to rainforests protection despite financial constraints,The Jakarta Post,5.27
 http://www.thejakartapost.com/news/2010/05/27/ri-committed-rainforests-protection-despite-financial-constraints.htm

 
Deforestation agreement with Indonesia,The Norway Post,5.27
 http://www.norwaypost.no/news/deforestation-agreement-with-indonesia.html

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