農業情報研究所>グローバリゼーション>農水産物・食料品貿易>ニュース:2013年11月18日
農水省 TPP交渉で主食用米無税輸入枠拡大を検討?コメ関税率下方修正はそのための深謀遠慮?
政府がTPP交渉への対応で、WTO協定に基づくミニマムアクセス米輸入枠(無税輸入枠)・年77万トンのうちの主食用米輸入枠・10万トンを拡大する検討に入ったそうである。米国などのコメ関税撤廃の要求に応えるためで、関税撤廃は難しく、77万トンの枠を増やすことも、引き取り業者が限られ、保管代や加工用米として安く売るための負担が大きく難しい。主食用米なら引き取り業者も多く、高く売れる。そこで、農水省は77万トンのうち10万トンに制限している主食用を増やす案を検討するという。
主食10万トン枠、拡大検討 コメの政府輸入枠 TPP交渉 朝日新聞 13.11.18
うかつにも、ここまできて漸く思い当った。農水省がコメの関税率を778%から280%に修正した*のは、このことあるを見越し、譲歩を小さく見せかけるためであったか、と。そのために、関税率計算の基準となる価格は主食用米の価格に限った。売買同時入札(SBS)にかけられる主食用米の価格としてなら、農水省が基準としたキロ122円は十分考えられるどころか低すぎるかもしれない(農林水産省/輸入米に係るSBSの結果概要)。うがちすぎかもしれないが、関税率激落の原因はそれ以外に考えられない。(主食用米の)生産調整「見直し」の動きも、ひょっとしてこれに関連していたかと勘ぐりたくもなる。
農水省、そのレゾンデートルは日本農業を犠牲にしたアメリカ農業の振興だったのか。
*農水省がコメの関税率を778%から280%に修正? 国際価格大幅下落の現在にはまったく不釣り合い;(続)農水省がコメの関税率を778%から280%に修正? 国際価格大幅下落の現在にはまったく不釣り合い