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はじめに

  撮影 重本昌信(重本音楽事務所)


ご挨拶    代表 新谷たか枝( NIIYA Takae )

  1991年、夫から転勤を告げられ、半年後にシンガポールに発つまで自分の世界を失うようなむなしさがありました。
 そんな時、亡くなった母が 「何かに迷ったときは新しい世界のほうを選びなさい」 と言っていた言葉を思い出し、日本での
 仕事を整理してシンガポールに発ちました。
 そこで出会ったインドネシアの竹楽器アンクルンが、私のライフワークになろうとは!母の言葉は本当のこととなりました。

  インドネシアのジャワ島の西部で作られているアンクルンは、竹を切り出してら 数年かけて乾燥させ楽器になります。
 楽器になってからもずっと生き続けているので、湿度や温度で音が変わったりしてコンサートの当日でも慌てることがあります。
 生きている竹からは不思議な生命の音が出ます。それが聴く人へパワーを送ります。 

 インドネシアでは竹には聖なる力があると信じられています。
 そのように信じられている竹を手にするときは、何かに後ろから押されているような目に見えない力を私も感じます。