農業情報研究所環境森林ニュース:2019年17

 ブラジル新大統領 先住民の土地を農業省管轄下に アマゾン森林破壊が加速

ブラジルのジャイール・ボルソナロ新大統領が就任早々、アマゾン先住民の土地と自然保護区を指定する権限を司法省から農業省に移した。同時に、サンパウロ環境局長を務めたが自然保護区での企業活動を許したRicardo Sallesを環境相に指名した。

 ルーラ・ダ・シルヴァ前大統領が国は自然保護区とアグリビジネスの共存するに十分なほどに広いと確信していたのに対し、前大統領を収賄罪で監獄に送り込む政略のお陰で新大統領の座を射止めたボルソナロ氏時の政府が判事を任命する似非三権分立制度 ブラジル大統領選挙からの教訓)は、アグリビジネスにもっとスペースを与える必要があると主張する。彼の新人事の狙いは、一層広大なアマゾン雨林を農業ビジネスに開放することにある。

 2004年以来、かつてない広大な土地が先住民と自然保護区に割り当てられ、アマゾンン雨林破壊の減速に多少なりとも貢献してきた。新大統領の下、森林破壊は間違いなく加速すだろう。新大統領就任は、アマゾン先住民だけでなく、温暖化を恐れる地球市民にとっても脅威である。

 関連情報 

Brazil's indigenous people fight back against Bolsonaro's attacks on Amazon,Deutsche Welle,19.1.7"

On Day 1, Brazil’s New President Undermines Indigenous Land Rights,The New York Times,19.1.2

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