農業情報研究所食品安全ニュース:2013年12月12日

米国FDA 家畜の成長促進のための抗生剤使用の段階的廃止へ一歩

 米国食品医薬局(FDA)が11日、長い間の懸案であった家畜の成長促進のために抗生剤を使う慣行の段階的廃止に向け、漸く一歩を踏み出した。

 多くの牛・豚・鶏生産者は、健康のためだけでなく、成長を速めるために、これら動物の飼料や飲み水に混ぜて抗生剤を常時与えてきた。しかし、このような抗生物質乱用は抗生物質が効かない細菌を生み出し、人間の健康を脅かしている。

 FDAはこのような慣行の段階的廃止を助けるべく、人間の医療用に重要な抗生剤に動物の成長促進のための使用が許されるという表示を付すことを自主的にやめるように製薬企業に要請したという。このような表示のない抗生剤を動物の成長促進のために使用することは違法となり、その使用には動物の病気のために使うという処方箋が必要になるということだ。

 FDA takes significant steps to address antimicrobial resistance,,FDA,13.12.11

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 F.D.A. Restricts Antibiotics Use for Livestock,The New York Times,13.12.12

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