農業情報研究所グローバリゼーション二国間 関係・地域協力>ニュース2019年1月27日

成長ホルモン肉しか食べられなくなる!それで牛肉消費が減れば結構なことだが

時評日日(19.1.27)より転載

TPP発効1カ月牛肉輸入増、国産に脅威 昭和の文豪、著作権「20年」延長(特報) 東京新聞 19.1.27 朝刊 24-25

 昨年暮れに環太平洋連携協定(TPP)が発効してまもなく一カ月。早速、影響が出始めている。牛肉の輸入は急増し、一月上旬だけで前年一カ月の半数に達した。直接影響を受けそうな国内の畜産業者は警戒を強めている。一方、著作権の保護期間がこれまでの死後五十年から七十年に延長されたことで、インターネット上で無料公開が予定されていた作家らの作品も今後二十年間、公開が遠のいた。TPPは国民のためになっているのか。

牛肉輸入が加速 昨年1月比 上中旬で14%増 SG基準 見直し急務 TPP4カ国産 日本農業新聞 19.1.26

 環太平洋連携協定(TPP)発効を受け、牛肉輸入が急増している。財務省が25日に公表したTPP参加国からの1月上・中旬の累計輸入量は2万4000トンを超え、同参加国からの前年同月の1カ月分を14%上回った。「関税が大幅に下がったカナダ産を中心に増えた」(商社)。輸入急増時に発動する緊急輸入制限措置(セーフガード=SG)の基準数量は米国を含む水準のままで、機能しない状態だ。輸入拡大の対策として、参加国との基準数量見直しの再協議が急務となる。 

  参考:農業情報研究所記事より

EU:科学委員会、ホルモン牛肉の危険性を再確認 02.4.24

英国土壌協会 牛肉残留成長ホルモンの新たなリスクで警告 検査強化も要求 06.7.4

牛肉大量摂取で乳癌のリスクが大きく増加 牛に与えれられる成長ホルモンが原因か 06.11.14

米国男性の生殖能力 妊娠中の母親の牛肉消費と関連 牛成長促進ホルモンの悪影響を示唆 07.3.28 

 

牛が環境への最大の脅威 FAO報告 06.12.13

赤肉(牛肉等)は大腸癌のリスクを高める そのメカニズムを解明する新研究 06.2.2 

 

*日本産牛肉の国際競争力 

日本で比較的安い交雑種の部分肉仲間相場(卸売価格、二〇一五年三月-二〇一六年一月平均)は、ばらがキロ一五〇〇円ほど、かた・ももは二三〇〇円超、サーロインは四九六〇円だが、米国産の輸入価格(二〇一五年)を見れば、生鮮・冷蔵品のばらが七六六円、かた・うで・ももが九九二円、ロインでも一六九八円、三八・九5%の関税がなければ、各々五五三円、七一六円、一二二六円になる。さらにオーストラリア産となるとさらに安い。日本産牛肉価格は米豪産の二~四倍にもなる。畜産クラスターや資材価格引き下げでどうしてこの差が埋められようか(農業成長産業化という妄想――「安倍農政」が「ヨーロッパ型」農業から学ぶべきこと  世界 20169月号)