農業情報研究所農業バイテクニュース:2011年2月1日

米農務省 GMアルファルファを無条件承認 反対者は無効を求めて直ちに提訴の構え

 米国農務省(USDA)が1月27日、昨年12月17日に発表された環境影響報告書で「無条件で承認する」、「地理的な制限と隔離距離を設けた上で承認する」の二つの選択肢を取り上げ、「わが国農業を構成するすべての部分(GM、有機、非GM)の共存を強化するための分別ある進路を開く必要がある」としていたGMアルファルファ(米農務省 GMと有機・非GMの共存の道を開く必要 GMアルファルファで環境影響最終報告書,10.12.18)の「無条件」承認を発表した。

 USDA Announces Decision to Fully Deregulate Roundup Ready Alfalfa,USDA,1.27

 共存を重視するなら「地理的な制限と隔離距離を設けた上で承認する」のが当然に見えるが、USDAは、遺伝子汚染を防ぐ方法の研究を促し、高品質の種子の利用を確保し・アルファルファの生殖質の純粋性を護るための二つの諮問委員会を設け、「産業主導の管理イニシアティブ(stewardship initiatives)」の自主的な第三者監査と検証を奨励することで十分と言う。

 反対者は、USDAが問題を認めたことは評価できるが、これらの措置は承認の後ではなくそれに先立って取られるべきものだ、承認の取り消しを求めて直ちに提訴すると言っているということだ。

 U.S. farmers get approval to plant GMO alfalfa,Reuters,1.28
 http://www.reuters.com/article/2011/01/28/us-gmo-alfalfa-usda-idUSTRE70R3UP20110128

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