3.フキ の分化(進化)


      1.フキの分化
            フキの雄株と雌株の花を観察していましたら、とてもよく似ている頭花があることに気がつきました。 


1.雄株  雌花がある頭花


 フキは雄株と雌株がそれぞれある
 雌雄異株です。 


 
 雄株の頭花を見ると、
 まれに周辺部に不稔の雌花を
 つけているものがあります。
 
  (右側の頭花)

2.雌株の頭花 雌花と両性花(中性花)


 一方、雌株の頭花は
 雌花でできていて、頭花の中央には
 1〜数個の両性花がありますが


 しかし、中には
 両性花(中性花)が
 かなり多くある頭花もあります。

  (中央部の大きな頭花)

 

            1.と 2.の頭花は、雄株と雌株という別の株の頭花なのですが お互いとてもよく似ていますよね。
    
             フキは本来、雌雄同株であったものが、異株へと分化(進化)していったそうです。 
             この、1.のように雄株に雌花があることは、分化の証拠なのだそうです。  ( 朝日百科 「植物の世界」より ) 
      
            フキのような雌雄異株は数が少なくて、裸子植物の一部および被子植物の約4%程度と推定されています。


      2.雌花・・・舌状花の名残

                フキの雌花は糸状花とも呼ばれています。 これは、舌状花の名残だそうです。     

  ツワブキなどは、
  中央部に両性花があり、
  周辺部に舌状花(雌花)が
  ありますので、
  小花の配置は似ています。 


              そこで、舌状花のようにも見える花冠が見つかるかも・・と思い、いろいろな雌花を探してみました。

           雌花の花冠は、裂片がそれぞれ不揃いです。 1番右のものが、少し舌状花を思わせる形をしているようです。  
    

     3.雌株の中心にある両性花

         雌株のフキの頭花は、大多数が雌花からできていますが、雌花には花粉もなければ蜜もありません。 
         そこで、雌花の中に少数のダミーの両性花を紛れ込ませています。 ダミーの両性花は機能的には中性ですが、
         多量の蜜を出し昆虫をおびきよせることができ、受粉のために大切な役割を持っているそうです。
                                                        ( 「したたかな植物たち」 多田 多恵子著より )


雄株にきた キタテハ

セイヨウミツバチ (雄株)

ハナアブの仲間 (雌株)

アブの仲間 (雄株)

小さなアブの仲間? (雌株)

早春に咲くフキの花の蜜を求めて、たくさんの昆虫が集まってきています。         (07.3.4)
                                                                      




1.フキ両性花・雌花    2.花粉を出さない雄株     3.フキの分化    4.赤いフキ

  TOP      なかなかの植物ルーム     BBS