農業情報研究所>農業・農村・食料関係>食糧問題>ニュース2021年2月6日
穀物・大豆価格高騰 世界食料危機再来?コメ余りの日本は心配なし
穀物備蓄再建・国内価格高騰の抑制・アフリカ豚熱で大打撃を受けた養豚の再建を求める中国の爆買い、新型コロナに促迫された食料輸入国政府による備蓄増強のための買い増し、気候異変による米国の原産(Iowa's
farmers reeling from a double blow — first the derecho, now a drought,Des Moines Register,20.8.31;Iowa's
estimated derecho crop losses increase by more than 50% in latest USDA report,Des Moines Register,20.10.9)、トウモロコシ・大豆の主要生産地・南米の乾燥気候、小麦大輸出国・ロシアの小麦輸出関税引き上げ、海運の混乱(港湾混雑)による輸送費高騰・・・、これらの要因が重なり穀物・大豆の国際価格が2014年7月以来の高騰。2000年代後半の食料危機(FAO 価格高騰による食料難に警鐘 IRRIも、米価格高騰は当分続きそう,08.04.12)の再来も危ぶまれる事態となってきた。
Food prices rise
sharply in January,FAO,21.2.4
Grain and soybean rally helps push food index to heighest level since 2014,Financial
Times,21.2.5,p.10
Food inflation concerns deepen as prices reach highest level since 2014,FT.com,21.2.5
ただし、米をすっかり食べなくなりコメがあり余る日本国民には食料危機の心配はなさそうだ。ただ、飼料を米国産輸入トウモロコシ、大豆(滓)に頼る工場畜業者は餌代の高騰で苦しむことになるだろう。
しかしまた、インフルウィルスをわざわざ呼び寄せるような地域集中型過密工場養鶏には見直しのチャンスとなるかもしれない。消費者には、庭先や近所の空き地に鶏を放ち、本来の免疫能力を発揮できる丈夫な鶏を育てる機会になるかもしれない。