農業情報研究所環境農薬・化学物質・有害物質20191026

 タイ、除草剤・グリホサート禁止へ 米国は大豆等輸出に影響と禁止延期を要求

タイのナショナル有害物資委員会(National Hazardous Substances Committee)がパラコート、グリホサート(以上除草剤)およびクロルピリフォス(殺虫剤)を生産・輸入・輸出・所有が禁止される有毒物質に指定した。この禁止は121日から有効になる。

 この禁止を前に、米国がタイに対し、とりわけグリホサート禁止の延期を要請した。米国農務省は、グリホサート禁止はタイの米国大豆・小麦の輸入(米国の輸出)に影響を与えると主張している。

 米国はまた、米国環境保護庁(EPA)のアセスメントや日本、EU、オーストラリア、FAOの科学的意見を引用、農業におけるグリホサート使用は人の健康に無害であると主張しているそうである。

 ただし、タイの副首相・保健大臣も、農業・農業協同組合副大臣も、タイ政府は消費者の安全を確保する責任があると言っている。市民団体・Biothaiは、米国の大豆やコーンなど農産品はグリホサートに汚染されている、米政府はグリホサート残留基準を引き上げたと主張している。

US glyphosate letter riles govt,Bangkok Post,19.10.26

 

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