3.ハナハマセンブリ (Centaurium tenuiflorum) 


ハナハマセンブリ(リンドウ科)はヨーロッパ原産の外来植物で、神奈川県植物誌(1988)で日本新産の帰化植物C.pulchellumとして和名を新称して報告されましたが、太田ら(1997;富山市科学文化センター報告(20):105)は学名をC. tenuiflorumに訂正しました。

1.花


ハナハマセンブリは一年草で、春に発芽して6月〜8月に花を咲かせます。


花びらはベニバナセンブリに
比べやや色が濃く

花冠裂片の形は
細い楕円形でスリムな
感じがします。


花の直径は
約9〜11mmで、
中心部の白さが
はっきりしています。




直径が約9〜11mm

花は6月〜8月


    2.花がつぼんだ状態の時

     花がつぼんだ状態はほっそりしていて、花筒の部分が長い感じです。    花冠裂片(a)と花筒(b)の比は、1 : 1.3〜1.5 ありました。


3.萼 ・ 小花柄

スケールの一目盛りは 0.2mm
 萼は花筒の長さの
 約5/10〜9/10です。

 花期では萼の長さは
 一定ではありません。


 右は花後です、
 萼は花筒の長さの
 約 5/10です。

ガク裂片と花筒の長さでは、
区別点になりません。




小花柄(左)は、
わかりにくいのですが、

長さ0.8mm程度です。

 


花後の萼は花筒の長さの約半分


4.根生葉

花期には、根生葉がほとんど見られない

ハナハマセンブリは、花期の頃になると、根生葉が枯れてきて、多くの個体では、根生葉は見られなくなります。


ハナハマセンブリには、根生葉が無いわけではなく、幼体〜花期の頃までは、茎葉に比べて大きめの根生葉が数枚あります。


詳しくは
6.ハナハマセンブリの根生葉」にまとめましたのでご覧下さい。

花期には、根生葉がほとんど見られない

枯れている根生葉


花の時期でも、根生葉が残っている株も、見られます。(右図)

特に花の咲き始める6月頃までは、多くの個体に根生葉が確認できます。




根生葉が残っているものもある

 花の時期の ベニバナセンブリとハナハマセンブリの全体です。 

ベニバナセンブリは二年草で、根生葉がロゼットを形成しとても長くて大きく、よく目立ちます。 
一方ハナハマセンブリは一年草で、根生葉は花の時期には、多くは枯れています。 根生葉が残っているものもありますが、形や様子が違っていますので、すぐに区別がつきます。
 また、花序のようすも違っています。


5.茎葉

葉は十字対生です。

茎の葉は、
大きな角度で開き、
ほぼ水平になって
います。


葉は、離れて茎に着いているものもあれば、くっついているものも
ありました。



    葉は、先がとがった楕円形〜倒卵形で
    やや外側にそるような感じです。

    ベニバナセンブリの葉に比べると
    かなり幅が広いものもあります。



6.果実と種子

果実は熟すと縦に2つに裂け、
中からとても小さな種子をこぼしてゆきます。



 種子はベニバナセンブリよりも小さく、直径 約 0.2mm



スケールは1目盛り0.2mm 



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