6. ハナハマセンブリの根生葉


ハナハマセンブリとベニバナセンブリの大きな識別点の1つが、
花の時期の根生葉とされています。 

「ハナハマセンブリは花の時期には根生葉はロゼットを形成しない」と
図鑑に書いてありますが、根生葉が見られるものが各地で報告されています。

私も昨年までは、花期に根生葉が見られないものがハナハマセンブリだと
思っていましたが、どうもそうではないようです。

そこで、この根生葉について調べてみることにしました。

  
   根生葉・・・根から生じているように見える葉のことで、
          正確には地上茎の基部の節につく葉のこと。
                     
(植物用語辞典 清水建美 著より)
ベニバナセンブリの根生葉


 1. ハナハマセンブリの葉の成長 
  
  昨年の夏に種子を蒔いていたハナハマセンブリが、今年(2006年)の春に発芽しましたので、葉を観察してみました。

1. 4月23日
2. 5月10日
3. 6月24日
 この時期には花を咲かせています。


発芽した葉に順に番号をつけました。

1.2.3番目の葉まで出ました。
4番目が出始めています。

1番の葉は3番目の葉の下に
少し見えています。

手前の大きな葉は4番目の葉です。

5番目の葉が出ました。 
6番目の葉が出始めています。

1.2番は3.4番目の葉に
隠れています。
4番と5番目の葉の間には
茎が伸びています。

1.2番目の葉はすでに枯れました。
3番目の葉も枯れ始めています。


     観察したことから、1〜4番目の葉は基部の節についていますので、根生葉です。
     5番目から上の葉は、茎の節間がのびて、茎についていますので茎葉になります。

     根生葉は花の咲く時期の頃までに、徐々に枯れてゆきますが、4番目の葉のように、花期にも残っているものもあります。



      2. フィールドでのハナハマセンブリの根生葉            

        フィールドでのハナハマセンブリも同時に観察してみました。 4月〜花が咲くまでは、根生葉がはっきりと確認できます。

4月18日  5月20日


発芽して約1ヶ月頃 



 茎がのび始めました  根生葉と茎葉が見られます


6月1日


茎葉に比べて大きな根生葉が確認できます



       A. 6月18日に花が咲き始めた株です、このハナハマセンブリには まだはっきりと根生葉が見られました。



違う場所に咲いていた花の時期のハナハマセンブリです。 少し枯れかけていますが根生葉が見られます。 (6月25日)

     


    B. こちらは根生葉が枯れていった株の様子(画像1.2)と、 枯れていっていることがはっきりわかる根生葉(7月1日)です。

1. 6月13日 2. 6月25日
  左と同じ個体です
7月1日
違う場所でのハナハマセンブリ


根生葉と茎葉が見られます


根生葉と1番下の茎葉は
枯れてしまいました
    

枯れてしまっていますが
大きな根生葉が見られます。


     今年(2006年) 観察したことをまとめてみると、 
     私の周りでみられるハナハマセンブリの根生葉は、発芽して花が咲く頃(6月頃)まではちゃんとありますが、
     徐々に枯れていって、花の時期の中〜後半になると、多くの株では根生葉が見られなくなるようでした。

     しかし、A.のように生育環境などによっては、花の時期にも根生葉がはっきり見られるものも見つかりました。 
  
                                                                       ( 2006.7.13 )


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