農業情報研究所>農業・農村・食料>有機農業>ニュース:2015.2.19
フランス 有機農業が大躍進 有機農地面積は英独を抜いて欧州第3位に
フランス有機農業開発・促進機構(Agence Bio)会長が18日、フランスの有機農業面積がスペイン(160万f)、イタリア(130万f)に次ぐヨーロッパ3位の110万fに達したと発表した。転換中の面積も10万fに上り、今から3年以内にイタリアを抜いて2位に上がる可能性がある。スペインの面積のうち60万f割はオリーブ畑で、これを除けば1位に躍り出るということだ。ヨーロッパの有機農業最後進国といわれた10年前に比べると隔世の感がある。2004年以来の振興策が実を結びつつあるということだろうか。
有機農業生産は2007年から2012年の5年間に倍増した。このペースでいくと、有機農地面積を2017年に利用農地面積の8%にするという野心的目標の達成も見えてきた。特に有機穀物面積は有望だ。普通の穀物の価格はトン当たり100ユーロから200ユーロで変動が激しいが、有機穀物は300ユーロから400ユーロで安定しているという。
2014年、新たに2000の生産者が有機農業に参入した。野菜・果実、大規模耕種作物、養牛(乳牛と肉牛)が多い。ただ、地域的には偏っており、有機農地面積の半分以上がローヌ・アルプ、ミディ・ピレネー、プロヴァンス・アルプ・コートダジュール、アキテーヌの南部に集中しているという。
La France devient la troisième surface agricole bio d'Europe,Le Monde,15.2.19
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