韓国　再開後3回目の輸入牛肉にも骨片発見　牛肉をめぐる全面戦争に突入か　FTA交渉にも影

韓国　再開後3回目の輸入牛肉にも骨片発見　牛肉をめぐる全面戦争に突入か　FTA交渉にも影

06.12.7

　韓国農林部が6日、米国産牛肉輸入再開後3回目の輸入牛肉にも骨片7個が発見されたとして、国内搬入を拒否した。これにより、輸入再開後のすべての輸入牛肉が骨片の混入で搬入を拒否されたことになる。

　今回は、ネブラスカでと畜された牛からのアイオワで加工された10.2トンの肩ショートリブから骨片が発見された。これらの骨は特定危険部位ではないが、輸入条件に違反しているから、米国に返送されるか、廃棄されるという。米国は、今回に肉については骨片の混入がないかどうか調べるために、輸出の前にX線検査をしたらしい。韓国当局者はそのように聞いているが、米国は骨片が余りに薄いために見逃した可能性があると言っている。米国は、おざなりなX線検査で、丁寧な目視検査の手間を省いているらしい。

　Another Bone Fragments Found in US Beef,Korea Times,12.6
　http://times.hankooki.com/lpage/biz/200612/kt2006120621193511910.htm

　これを受け、米国のジョハンズ農務長官は、この3回目の受け入れ拒否は、「韓国当局者が米国からのすべての牛肉製品を拒絶する口実を見つけだそうと決めたことを示す」、「韓国当局者は今日、彼らの市場が米国牛肉にとって商業的に存続できないというメッセージを送った」と非難するこの問題に関する初めての公式声明を出した。

　彼は、安全上の問題は絶対にない、我々が輸出前に厳格な検査をしているというのに、米粒の半分ほどのサイズの骨片が10トンもの牛肉の目視検査で発見されたという韓国の主張は到底受け入れることができない、牛肉貿易を制限しようとしていると結論するしかないと言う。

　彼は、通商代表部（USTR）と協力、米国産牛肉に対する韓国市場の開放を勝ち取るために利用できるあらゆる選択肢を検討するとも言っており、どうやら牛肉貿易をめぐる全面戦争に突入する気配も見えてきた。あるいは、難航している韓米自由貿易協定（FTA）交渉にも影響を及ぼすかもしれない。

　Statement by Agriculture Secretary Mike Johanns Regarding the Rejection of U.S. Beef Shipments by South Korea,10.6

　現在、米国モンタナ州・ビッグスカイで第5回目の韓米FTA交渉が行われているが、交渉3日目の6日、米国が反ダンピング措置等貿易救済措置の改善を求める韓国の死活的に重要な要求を拒否したことから、医薬品、自動車の分野の交渉も中断してしまった。米国側にすれば、議会が早急にはとても容認するはずのない貿易救済措置の緩和の要求は絶対に飲めない。ここに来ての牛肉をめぐる対立の激化は、FTA交渉の早急な妥結の見通しも一層暗くする。

　FTA交渉を率いる米国のカトラー交渉首席代表も、牛肉をめぐる韓国の決定に”非常な失望”を表明、「これは二つの主要貿易パートナーの貿易の商業的に存続可能な方法ではない。牛肉問題では前進しているというより後退しているように見える」、輸出再開以来韓国が取った措置は食品安全問題とは無関係で、韓国の真の輸入再開に向けて交渉をやり直す必要があると語ったという。

　S. Korea-U.S. FTA talks hit snag over trade remedies, beef,Yonhap,12.6
　http://english.yna.co.kr/Engnews/20061207/640000000020061207085339E6.html