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万葉集第1巻

9番
【額田王】大海人皇子を想って作った歌。この後、額田王は大海人皇子の兄、中大兄皇子の妻になりました
夕月し おおいなせそ 
雲わが背子が 
い立たせりけむ厳樫が本

雲よ 月を おおいかくさないで 大きな樫の木の下で 私のいとしい人が たたずんでいるの 


20番
【額田王】近江大津京の宮廷をあげて大々的な薬猟が 蒲生野(今の滋賀県蒲生郡)でくりひりげられたおり、額田王が作った歌君は大海人皇子(後の天武天皇)
茜さす 紫野ゆき標野ゆき
野守は見ずや 君が袖振る
あかね色に輝く紫草の野を 御料地を行き来しているあなた そんなに袖を振って私に合図なさったら 野の番人に見られてしまうわ

21番
【大海人皇子】額田王への返歌  額田王は大海人皇子の兄(天智天皇)の妻でした。
紫草の 匂える妹を憎くあらば
人妻ゆえに我恋いめやも
紫草の色があざやかにはえるように美しいあなたを いやなわけがあれば すでにあなたは人妻であるのに なぜこんなにも恋焦がれるよう